【行政書士試験 合格体験記②】本番で力を出し切るために。私が実践した直前・当日のコンディション対策
合格体験記①では、1年目の不合格から勉強方法を見直し、条文暗記・語呂合わせ・AI画像・MindMeisterを活用して2年目に合格するまでの学習方法をご紹介しました。
この記事はその続編です。
テーマは、「試験当日をどう快適に乗り切るか」。
試験で実力を発揮するためには、それまでの勉強が何より大切です。
ただ、せっかく準備してきても、
「雨で靴が濡れてしまった」
「教室の空調が思ったより暑い、あるいは肌寒い」
「椅子が硬くて腰が痛くなった」
「お腹の調子が悪くなった」
といった小さなトラブルが重なると、意外と集中力を削られます。
私自身、若い頃のように「とりあえず会場に行けば何とかなる」とは考えず、2年目はできるだけ余計なストレスを減らして、本番に集中できる環境を作ることを意識しました。
人によっては「そこまでやる?」と思われるものもあるかもしれません。
それでも、自分自身が納得した状態で試験に臨めることが大切だと考え、かなり細かいところまで準備しました。
今回は、その実体験をご紹介します。
※持ち込み可能な物品や試験会場での使用ルールは、年度や会場によって異なる可能性があります。実際に受験される際は、必ず最新の受験案内・注意事項をご確認ください。
1.会場までの移動で余計な疲労をためない
試験会場は、1年目と2年目で同じ大学キャンパスでした。
そのため、2年目には会場までの経路やキャンパスの雰囲気をある程度把握できていました。
それでも、当日の天候まではコントロールできません。
雨だったため、予定を変更してタクシーを利用
私は普段あまり電車を利用しません。
1年目は、会場最寄り駅の一つ手前にある大きめの駅付近まで車で行き、コインパーキングに駐車して、そこから電車で1駅だけ移動しました。
2年目も同じルートを予定していました。
ところが、当日は雨。
駅から大学まで歩けば、靴や衣服が濡れる可能性があります。
「試験が始まる前から足元が不快なのは避けたい」
と考え、その日は予定を変更しました。
電車には乗らず、車を停めた場所からタクシーを利用し、大学の門の近くまで移動しました。
少し費用はかかりましたが、本番当日は、移動コストよりもコンディションを優先すると決めていました。
靴も「移動用」と「試験用」を用意
移動時は、雨に備えてゴアテックス素材の防水性のある靴を履いていました。
ただ、その靴で長時間試験を受けるよりも、もっと軽くて履き慣れた靴の方が快適です。
そこで、教室に入る前に履き替えました。
移動中は濡れにくい靴、試験中は快適な靴。
ほんの小さな工夫ですが、長時間座って試験を受けることを考えると、足元の快適さは私にとって意外と重要でした。
2.教室の温度差と「硬い椅子」への対策
行政書士試験は11月上旬に行われます。
真冬のような厳しい寒さではありません。
そのため、「とにかく厚着をして寒さに備える」という感じではありません。
ただし、私には一つ分かっていたことがありました。
足のつま先だけは冷える。
私は末端冷え性なので、気温がそれほど低くなくても、長時間じっと座っていると足先が冷えてきます。
そこで、靴下用のカイロはあらかじめ用意していました。
外の気温より、むしろ教室の空調が読めない
もう一つ気になっていたのが、試験会場の教室内の温度です。
11月上旬ですから、外はそれほど寒くない。
しかし、教室の空調がどうなっているかは、実際に入ってみなければ分かりません。
暖房が効いていて暑く感じるかもしれない。
逆に、じっと座っていると少し肌寒く感じるかもしれない。
そこで私は、軽くて脱ぎ着しやすいジャケットも用意しました。
寒ければ着る。
暑ければすぐ脱ぐ。
つまり、「寒さを防ぐ」というより、自分で体感温度を調整できる状態にしておくことを意識しました。
本番中に、
「暑いな」
「寒いな」
と気になり始めると、その小さな不快感が意外と集中力を奪います。
気温を予想して服装を決め打ちするより、温度変化に対応できる服装にしておく方が安心だと考えました。
ジャケットを「ひざ掛け代わり」にするのは避けた方がよいと感じた
ここで、私が受験したときに印象に残った出来事があります。
ある女性受験者が、ジャケットをひざ掛けのようにして使用していたところ、試験監督員から声をかけられていました。
さらに、ジャケットのポケットに何も入っていないことも確認されていたように見えました。
もちろん、試験監督員としては公正な試験運営のために必要な確認だったのだと思います。
ただ、受験する側からすると、試験中に声をかけられたり、持ち物を確認されたりすると、それだけで集中が途切れる可能性があります。
その様子を見て、
「ジャケットは普通に着るか、脱いで決められた場所に置く方が無難だな」
と感じました。
防寒や温度調整は大切ですが、試験中に余計な確認を受けない使い方をすることも、コンディション管理の一つだと思います。
硬い椅子対策には「マイ座布団」
もう一つ用意したのが座布団です。
大学の教室の椅子は、長時間座り続けると意外とつらいものです。
私は以前、TOEICなどの試験を受けた経験から、硬い椅子に何時間も座っていると、お尻や腰の痛みが集中力に影響することを知っていました。
そこで、試験には自分用の座布団を持参しました。
人によっては少々大げさに見えるかもしれません。
しかし、私にとってはかなり役立ちました。
試験の後半になって身体の痛みが気になり始めることなく、問題に集中できたからです。
座布団は、使用前に一言確認しておくと安心
座布団については、私が受験した際、使用する場合は試験監督員に一言確認するような案内があったと記憶しています。
そのため、持参する場合には、勝手に使い始めるのではなく、試験開始前に
「この座布団を使用してもよいでしょうか」
と一言確認しておく方が安心だと思います。
事前に確認しておけば、試験中に指摘を受ける心配も減ります。
このあたりも含めて、私が意識したのは、
「快適さを確保しつつ、試験中に余計なやり取りが発生しない状態を作ること」
でした。
3.出願時期について、こんなことも試してみた
これは「おすすめの受験テクニック」というより、完全に私個人のちょっとした実験です。
1年目に試験を受けた際、
「受験番号が後ろの方になるほど、欠席する人も少し増えるのではないか?」
と、何となく思いました。
もちろん、これには何の根拠もありません。
そこで2年目は、あえて申込期間の最終日、締切に近いタイミングで申し込んでみました。
当日、私の前の席では2名ほど欠席しており、教室内にもぽつぽつと空席がありました。
ただし、それが申込時期と関係していたのかは全く分かりません。
結果的には周囲に少し空間があり、私自身は圧迫感が少なく感じられました。
「人が少ない方が落ち着く」と自分が感じていただけなのかもしれません。
ですので、これはあくまで私が試してみた個人的な裏話としてお読みください。
4.筆記具、時計――小さな不安をできるだけ消しておく
当日は、試験内容以外のことをできるだけ考えなくて済むようにしました。
筆記具は予備を多めに
筆記具は、必要最低限ではなく予備も用意しました。
試験中に、
「もし鉛筆が使えなくなったら」
「消しゴムを落としたら」
などと考える必要がないようにするためです。
実際にトラブルが起きる可能性は小さいでしょう。
それでも、小さな不安を事前に消しておくこと自体に意味があると思っています。
長年使っている腕時計を持参
時間管理には、普段から使い慣れているSEIKOのソーラー電波腕時計を使いました。
正確で、表示が見やすく、サイズもコンパクト。
試験中に何度も見るものなので、初めて使う時計ではなく、自分が信頼している時計を持っていきました。
これも精神的にはかなり安心感がありました。
なお、置時計の使用は認められていませんでした。
5.食事は軽めに。直前にチョコレートと少量の水
試験当日の食事についても気をつけました。
満腹になって眠くなるのは避けたい。
一方で、試験途中で空腹になり、集中力が落ちるのも避けたい。
そこで、食事は少し早めに、軽めに済ませました。
そして試験開始前、廊下でチョコレートを少し食べ、少量の水を飲みました。
たくさん食べたり飲んだりするのではなく、自分が安心できる程度です。
試験中にお腹が気になったり、トイレが気になったりすることを避けるため、量も控えめにしました。
ここも、人によって合う方法は違うと思います。
大切なのは、本番の日に初めて何かを試すのではなく、自分の身体に合うパターンを事前に知っておくことだと思います。
6.試験1か月前から禁酒
そして、私にとっては少々大きな決断だったのが、試験1か月前からの禁酒です。
私はお酒が好きです。
それでも、試験直前期はできるだけ体調を整え、睡眠や翌日のコンディションに影響する要素を減らしたいと思い、1か月ほどお酒を控えました。
禁酒そのものが合格につながった、と言うつもりはもちろんありません。
ただ、
「ここまでやったのだから、あとは試験を受けるだけ」
と思える状態を作ることが、私には大切でした。
そして試験終了後、その日の夜に飲んだビールとウイスキー。
これは本当に格別でした(笑)。
合否はまだ分かっていませんでしたが、「終わった」という解放感は今でも覚えています。
7.直前は、勉強するのをやめて「人間観察」
試験当日、開始直前までは参考書を見ようと思っていました。
周囲にも、最後までテキストやノートを確認している受験生がたくさんいました。
私も最初は同じように見直していました。
ところが――。
まったく頭に入ってきません。
読んでいるのに内容が残らない。
「これはもう、見ても仕方がないな」
と思い、参考書を閉じました。
そして、なぜか始めたのが人間観察でした。
周囲を見渡すと、本当にいろいろな受験生がいます。
最後まで必死に参考書を読んでいる人。
静かに目を閉じている人。
落ち着いているように見える人。
緊張しているように見える人。
「本当にいろいろな人が、この試験を受けに来ているんだな」
とぼんやり眺めていると、不思議と自分の緊張も少し和らぎました。
無理に最後の一つを覚えようとするより、私にはこちらの方が合っていたようです。
8.前年と同じ試験監督員を見つけて、未来の自分を想像した
もう一つ、当日に印象に残っていることがあります。
試験監督をしている方の中に、
「あれ? この方、去年も見たような……」
と思う人がいました。
そこで、ふと考えました。
「来年は、自分も行政書士になって、あちら側にいるのかな」
もちろん、その時点では合格できる保証などありません。
それでも、
「来年は受験生ではなく、行政書士になっていたい」
と未来の自分を想像すると、少し気持ちが前向きになりました。
ちなみに合格後、実際に試験監督員の募集を目にする機会がありました。
「本当に募集しているんだ」と思いましたが……。
なかなか大変そうだったので、応募は見送りました(笑)。
9.私にとっては「やりすぎ」くらいでちょうどよかった
ここまで読むと、
「靴まで履き替えるの?」
「座布団まで持っていくの?」
「ジャケットまで用意するの?」
「1か月禁酒?」
と感じる方もいるかもしれません。
私自身も、若い受験生の方であれば、ここまで気を使う必要はないかもしれないと思います。
学校の教室で試験を受けること自体に慣れている方もいるでしょう。
しかし、私にとって「教室で長時間試験を受ける」という経験は、はるか昔のことになっていました。
また、これまでさまざまな試験を受ける中で、些細な不快感やちょっとしたトラブルが、意外と集中力に影響することも経験していました。
だからこそ、
「本番では、問題を解くこと以外にできるだけエネルギーを使わない」
ことを目標にしました。
暑ければ脱ぐ。
寒ければ着る。
濡れた靴なら履き替える。
椅子が硬ければ座布団を使う。
ただし、使い方について確認が必要なものは事前に試験監督員へ確認する。
快適さだけでなく、「試験中に余計な確認ややり取りが発生しないこと」も含めて準備する。
これが大切だと思います。
人から見れば、少々やりすぎだったかもしれません。
それでも、私自身が
「これなら快適に試験を受けられる」
と思える状態を作れたことには意味があったと思っています。
おわりに:本番では「いつもの力を出せる環境」を作る
試験に合格するために最も重要なのは、もちろん、それまで積み重ねてきた勉強です。
当日の靴や座布団、ジャケットだけで試験に合格できるわけではありません。
ただ、試験当日に余計なストレスを抱えて、せっかく準備してきた力を出し切れないのはもったいない。
私が2回目の受験で意識したのは、
「当日に100%以上の力を出そうとすること」ではなく、「それまで身につけた力を、できるだけ普段どおり発揮できる環境を作ること」
でした。
そのために、
雨への備えをする。
足元を快適にする。
教室の温度に合わせて調整できる服装にする。
椅子の硬さに備える。
持ち込み品や使用方法を事前に確認する。
筆記具や時計を準備する。
食事や水分を調整する。
体調を整える。
そして、直前には無理に勉強しない。
一つひとつは小さなことです。
でも、その小さな準備を積み重ねることで、
「あとは問題を解くだけ」
という状態で席に座ることができました。
これから行政書士試験を受験される方も、ご自身の体質、生活習慣、試験会場までの移動方法などに合わせて、自分なりの「試験当日ルーティン」を考えてみてはいかがでしょうか。
私自身の経験が、少しでも参考になれば幸いです。
